ポカよけの極意 第2回 生活の中のポカよけ

ここでポカよけの現場を工場や製造機械からを離れて、我々一般人が生活する世の中のポカよけを考えてみましょう。

デッドマンスイッチが無いために起こる交通事故の例を挙げましょう。

下り坂でドライバーが自動車を降りた際、サイドブレーキが甘かったらどうなるか想像できますよね。車はじわじわ動き出して、だんだんと速度を上げます。ドライバーが気づいた時には手遅れでどこかにぶつかるまで走り続け、その先には惨事が待ち構えています。映画やドラマなら笑い事になるのでしょうが、実社会では人の命が失われる事故も起きています。

では頭のなかでどうしたらこの事故が防げるか、車にデッドマンスイッチをつけることを考えてみましょう。例えばこういうことを考えるかもしれません。車が停止した状態でドライバーが離席したことを検知すると自動で車が自身でサイドブレーキを引くプログラムロックされるのです。この機能さえあれば先ほどのような事故は防げます。着座センサーは、シートベルト警告のために今多くの車についていますし、自動ブレーキやアンチスピンデバイスのついた車であれば、コンピューターがブレーキを制御できるので、後はプログラムだけで実現できそうです。そこまでしなくても、例えばサイドブレーキが甘いことをセンサーが感じたら、ドライバーが離席するタイミングで警告することも出来ます。

またこれを機械的に実現するのであれば、着座の圧力が抜けるとサイドブレーキを引き上げる仕掛けが起動する、サイドブレーキとドアレバーーを連動させてドアが開くとサイドブレーキが効くなど、様々なポカよけを考えることが出来ます。


今度は家の鍵のかけ忘れを考えてみましょう。一人暮らしで会社に出勤、駅についた時に家に鍵をかけたかどうか記憶がない。不安になって家に戻る、なんてことを私も何回か経験があります。コンロの消し忘れもありましたが、最近のコンロは消し忘れ対策が整ってきていますのでそうしたコンロであれば安心ですが、しかし鍵のかけ忘れはどの家でもいまだ起こりうるトラブルです。

ポカよけですから鍵をかけ忘れようのない仕組みを考えなければなりません。

一番簡単なのはオートロックです。家人が中に居ようと居まいと、ドアは閉まれば必ずロックされ、解錠しない限りは開かないのです。しかしこの方式にはまだ欠陥があります。鍵の持ち出しを忘れると閉めだされてしまう点です。

ではその鍵の持ち出しをポカよけすればオートロックは万全です。どうしたらよいでしょうか。

ひとつの解決策は、番号錠のオートロックです。美和ロックさんがそうした製品を出していて、内側からはレバーでドアは空きますが、外からは暗号の入力が求められます。暗号さえ知っていればいつでも家に入ることが出来ます。実は私自身こうした製品を自宅に導入していました。鍵を持ち歩くのが面倒だったからです。

他に最近はスマートフォンから解錠操作できるスマートロック製品が出始めています。携帯を忘れてしまっては開かないじゃないか、というデメリットはありますが、IDと暗証さえ知っていれば、最悪誰かの携帯にアプリを入れれば解錠することも出来ます。


では次は買い物の買い忘れを考えてみましょう。とある主婦さんが今夜は鍋にしようとスーパーで様々な具材を買ってきて家に戻ったところ、ネギを買って無いことに気づきました。仕方ないので帰宅するパパに連絡してネギを買ってもらって一段落。しかしこうした買い忘れは防げないものでしょうか。

スーパーでは時折特設売り場を作って、今夜は鍋!鍋コーナー、などと関連食材をまとめて展示していることがあり、買い忘れの防止にもなりますし、野菜・肉さかな・調味料などと売り場をあちこち移動する手間も省けますね。しかしあらゆる料理に対応出来ないので、根本的に買い物客の買い忘れを防ぐことは出来ません。

ひとつの解決策はネットスーパーです。ネットスーパーでオーダーすれば、スーパーで歩き回る間に買って来るべき材料を買い忘れる、という「機会の減少」効果があり、買い忘れは減るでしょう。しかしながらネットスーパーは利用できない地域や、実際に食材を見て選べないため。万全の解決策にはなりません。

では買い物メモを用意するという昔からのアナログな手法はどうでしょう。しかしこれを励行するような人であれば、めったに買い忘れしませんよね。そういうことをしなくても買い忘れをしないような仕組みや仕掛けは考えられないでしょうか。

これはどうでしょう。買い物かごをレジに通す際に、POSがサジェストをするのです。

あなたの選んだ食材で作れる料理はこれこれこれです。
寄せ鍋にするには豆腐とネギが不足しています。
カレーを作るにはカレールーが足りていません

んんー、可能そうでは有るのですが、買い物カゴの中に入れた食材の数が増えると可能な料理の種類がめちゃくちゃ増えてしまうので、うまく行かなそうな気がしてきました。であれば来店時にサジェストするのはいかがでしょう。

スマホのアプリに今晩の料理をしゃべりかけるのです。料理名を受け取ったアプリは、その料理に一般的に必要な食材をデータベースから呼び出して、スマホの画面に表示した売り場のマップに食材アイコンを付けるのです。スマホ操作が面倒そうですが、これなら巧く行きそうですね。