営業部門と事務部門の統合によるコスト削減例

とある企業さんでは営業が受注したあと様々な事務作業が発生するので、それの軽減のため、営業さんが事務部門への依頼するという流れで受注後後工程がおこなれておりました。

この企業さんからのコストダウンの依頼で業務内容を点検したところ、これまで事務部門が手作業でやっていた業務の多くの作業がIT化可能な見立てになりました。弊社側でシステムの設計導入を行うこととになりました。(開発はクライアント側の開発部門及び契約していSIer)

ところがそのシステム設計を行っている最中、更なるコストダウンをすることができる見立てが出来たのですが、それはその事務部門自体をなくすことでした。

当初思ったよりもIT化による業務の簡略化が可能になり、シミュレーションした結果、営業さんでもこれまで事務センターに依頼していた事務作業を1件あたり90分でこなせるという見立てが出来たのですが、実はこれまで営業さんが事務部門に業務を依頼するためにかかっていた工数(依頼書記入、資料添付、送信、完成物の検品)も1受注辺り90分だったのです。

要するに他部署に業務を依頼する工数を使えば、営業部門だけで業務が完結することがわかりました。

IT開発の要件も依頼検品の機能開発がシンプルになり開発コストの削減も可能に。すぐに経営に判断いただき、事務部門を通さずに営業部門で完結するような設計に建付けを変更しました。

そうなると別の課題も発生します。事務部門の余った工数をどうするかです。これは一部の事務センタースタッフを営業部門に転属させて、移行期はトレーナーとして、移行が完了した後はサポートスタッフとして活躍していただくことにし、さらに余った工数は、短期契約だった派遣スタッフやアルバイトさんの契約を順次満了することで充当しました。

これにより年間のコストダウンは通年で7000万円近くと見積もられました。この数字自体も大きな話ですが、実はこの会社はとある業界の代理店だったのですが粗利15%の業界なため、1億のコスト削減は÷15%で6.67億の売上と同じ効果を産むことも併せて経営に説明したところ、たいへん喜んでいただき、計画に賛同して頂けました。