「危急時」を想定する2

ではさっそく危急時=緊急事態を想定するシミュレーションを行っていきましょう。

対象は株式会社浜松製作所(架空の企業)とします。

浜松製作所は創業者によるオーナー企業で、住宅用の給湯器をパルカスというブランドで販売している、家庭用給湯器では日本で3位のメーカーです。本社は浜松、営業所は全国主要都市に、製造拠点は中国と日本に存在しています。熱交換器を始めとした給湯器のほぼすべての部品は中国工場で作られています。完成品については汎用品および中国で販売している製品は中国の工場で組み立て、日本向けの中高級機は日本の浜松本社工場で組み立てています。

ではまず緊急事態を以下のようにカテゴライズしてみましょう。
1.自然災害
2.人為的な事故
3.戦争や外交問題
4.パンデミック
5.サイバー攻撃、データ漏洩、システムのダウンなどIT関連の問題
6.ストライキなど人事・労働関連の問題
7.法律・規制の変更
8.経済危機、通貨の変動、市場の変動など経済的な問題
9.ブランドイメージの損傷や不買運動

どうでしょうか、網羅できていますかね。ではこの9カテゴリに分けて、想定すべき緊急事態の具体例をリストアップしましょう。

 

1. 自然災害
– 海外製造拠点の地震、台風、洪水などによる被害
– 日本本社の地震、台風、洪水による被害
– 主要営業所の地震、台風、洪水による被害

2. 人為的な事故
– 工場での火災、爆発事故
– 重大な製品欠陥によるリコール
– 輸送中の事故による製品損害

3. 戦争や外交問題
– 中日間の政治的緊張、戦争、経済制裁
– 国際的な紛争による物流路の遮断
– 中国による台湾侵攻

4. パンデミック
– 従業員の大量感染による業務停止や生産調整
– ロックダウンによる業務停止や生産調整・生産停止・流通停止
– ロックダウンによる販売低迷

5. サイバー攻撃、データ漏洩、システムのダウンなどIT関連の問題
– サイバー攻撃によるデータ漏洩
– システムダウンによる生産・販売の停止
– ランサムウェアによる業務停止

6. ストライキなど人事・労働関連の問題
– 労働争議による生産停止
– 重要人物の急な退職、病気、死亡

7. 法律・規制の変更
– 製品規制の強化による販売停止
– 環境法の変更による生産コストの増大
– 営業停止命令や移転命令などでの生産の中断

8. 経済危機、通貨の変動、市場の変動など経済的な問題
– マクロ経済の悪化による販売減少
– 通貨の急激な変動によるコスト増
– 原材料価格の急激な上昇

9. ブランドイメージの損傷や不買運動
– 不適切な広告や発言によるブランドイメージの損傷
– 不買運動による売上げ減少

いろいろ思いつきました。