働き方改革 残業時間の削減

働き方改革が問われていますが、浅薄な理解により効果を産まない事例があとを絶ちません。

よく見受けられるのが単に残業時間を減らそうと、シーリング=上限を設けて社員強制させるというやり方。これは駄目です。改革というのであれば会社や上司が残業の中身を見に行って、それを減らすこと。これが最低限。されに言えばそれを会社の仕組みに装着する。これでやっと改革といえます。

そのためにはまず残業発生のメカニズムを知ること。これが最初です。

簡単にできることは従業員の業務のモニタリングです。オネストにやらねば意味がありませんが、従業員一人一人が何時何分に何をしていたか克明なログを取ります。そしてそのログを集計します。集計の大分類は直接業務/間接業務/待機・移動・休憩、といったものです。営業マンの営業活動時間は直接業務です。会議などで直接売上に関係しない会議は間接業務です。顧客からの連絡待ちや事務員さんの処理待ちであれば待機時間です。ちなみに一番生産性が高くなるのが直接業務がほとんどでそれ以外はしていない=勤務時間に算入されない状態です。

残業時間中に何をしているか。多くの営業マンは昼間顧客を訪問して受注活動などに勤しみ、夕方に戻ってからは明日までにやらねばならない事務作業を夜行うことでしょう。残業が発生する要因は2つ、営業+事務作業で所定労働時間を超えて残業が発生は必須であることと、事務作業は夜行うしか段取りが組めない状態であること。この2つです。どちらも解消せねば残業はなくなりません。そのためには業務を組み替えて直列作業を並列作業できるようにしたり、ITで自動化を進めて作業時間数を減らす工夫が大切です。

事務作業を行うスタッフの残業はどうしたら良いでしょうか。これもアプローチは同じです。よくある例が待機時間の多さです。例えば営業事務であれば昼間は仕事があまりなく、営業マンが帰ってきた夕方辺りから忙しくなります。昼間仕事していないとみられるのは嫌ですから、無理くり仕事を作っちゃっている部署も多いようです。それでも余れば待機時間になります。簡単な解決策は事務正社員は配置転換して何処かで別の仕事をしてもらい、営業事務は夜間のパートタイマーに任せるのです。もしくはスケジュールを組み替えて次の日の昼間にやるということがデキるならそれもありです。悪意はないにせよ、昼間に売上を産まない仕事をわざわざ作って、さらに私残業もしていますアピールするような事務職はゴマンと居ます。