業務全体の設計構築の重要性

私はこれまで小売業・出版事業・インターネット広告事業・インターネット通販事業など、様々な新規事業の立ち上げにおいて、その事業を動かすエンジンである運営組織・オペーレーション組織の構築とローンチとマネジメントに長く関わってきました。

例えばインターネット広告事業を立ち上げようとすると営業・デザイナー・クリエイティブ・審査・アドテクエンジニア・ヘルプデスクなどが毎日の運用に携わります。全体の業務の流れを設計し、個々の組織の役割と連携を設計し、職種ごとの役割・業務内容・業務手順を設計し、それぞれの部門が使うシステムを自前で構築するなり買ってくるなりして導入し、全ての人たちが業務をトレーニングし、事業の開始に備えなければなりません。しかし作るだけでは駄目で、それらを最小限の人員リソースで、安全に高品質に回していく設計にしなければならないのです。

その中では当然ITの活用も大きな力になりますし、業務の外注先として国内外で事務処理センターを構築して全体の生産性の向上を行うことも業務を達成するための手段になります。北海道から沖縄、中国やインドで業務センターを立ち上げ、全てが連携して1つの事業を動かすのです。

事業が何期も続くと徐々に競争環境や技術動向が変化し、当初設計した流れがうまく行かなくなるという問題も発生します。それに対処するために微調整をしたり、組織改変やシステムの総入れ替えも行うことになります。

それらを怠った企業は気がつくと競争力を失い、徐々に衰退していくのです。