笑えるような笑えない労災事故

笑えるような笑えない労災事故の話です。

私が関係した厚木の食品工場の労災事故未遂の話です。ラップで食品を包む工程で、その梱包機に流れてきた食品トレーが詰まってしまったのです。その横の作業担当者は緊急時にラインを止める紐を引っ張ってラインをすぐ止めました。そしてベルトコンベアに上半身を乗せて機械に詰まった食品トレーを取り外していたのです。担当者がやっとのことでトレーを取り除き「取れました!」と大きな声で職長に報告したところ、その声が聞こえた職長は現場を見もせず「動かすよー」と言ってラインを動かすボタンを押してしまったのです。作業担当者はまだベルトコンベアに上半身を預けたままです。作業担当者はベルトコンベアで次の工程に運ばれていってしまいました。

職場には「助けてー」の声がこだましました。すぐにラインが止まり、作業者は怪我なくコンベアから降りることが出来ました。

作業者は梱包機のしもて、食材がラップされて出てくる側から作業していたので幸いにも機械に巻き込まれずに済みましたが、逆から手を入れていたら大事故になっていました。

職長が「いまからラインを動かします」と全作業者にコミュニケーションを取って、ライン再開のサイレンを鳴らせば起きなかった事案です。

また通常このようなトラブル時には作業者ではなく職長が一次対応し、同時にライン再開の判断を行なうのが標準的な手順です。