事務作業のミスを防ぐMESEなアプローチ

製造業だけではなく、事務センターのようなところでも不断に作業ミスが発生し、リカバリに追われます。そして対策としてよくて出てくるものは「ダブルチェックします!」「トリプルチェックします!」。これでは作業効率がどんどん下がって生産性が悪化します。

作業ミスの原因を聞くと、多くが「ボーっとしてました」とか、「気づきませんでした」などのヒューマンエラーのような答えが帰ってきますが、作業設計者の立場からは、ミスの原因を特定個人のヒューマンエラーとするのはとても良くないことです。表面的なミスの発生原因=直接原因や作業内容に求めるだけではミスはなかなか減りません。

作業が難しかったり、実力よりも高い成果を要求したり、作業に適していない環境で働かせたりしていませんか。実際の多くのヒューマンエラーとされているものは、作業の設計がいまいちなことがほとんどです。

ヒューマンエラーを防ぐための業務設計・業務改善をMESEに進めるためには以下の4つの観点で十分な対策を取る必要があります。

1)ミスが発生する機会を減らす
作業の種類・数を減らす(まとめる・なくす)、手作業→自動化
2)ミスが発生する確率を小さくする・無くす
マニュアル化、トレーニングする、機械化
ミスが起こらないポカヨケ設計に変える(取り違えると入力できないなど)
作業をわかりやすくする(画像などで直感的に指示)、やりやすくする(作業環境の最適化)
ミスを見つけやすくする(色分け、形で分ける、タイマー)、など
3)ミスに気づく
ミスを検知する・ミスが起きると次の工程に進めなくする(加工後のデータ定義、ハッシュ値の利用など)
4)発生事後対策として被害の最小化

この4つにカテゴリを分けてそれぞれで十分な対策をとることでヒューマンエラーを100万分の1以下を目指すのがプロの業務設計です。