作業ミスの予防策は大きく分けて二つあります。
機会の最小化 × 確率の最小化
機会の最小化
です。耳慣れない言葉だと思いますが、機会の最小化とは「ミスが起こる機会をなくしていく」ことです。自動車組み立てで言えば、数十の部品でディスクブレーキを組み立てるのではなく、ブレーキキャリパーというアセンブリー部品一つを取り付ける、ということです。取り付け作業が1階になれば、取り付けミスが起こりうる場が数十分の一になりますので、品質が確実に向上します。
事務センターで言えば、複数の工程をまとめることで工程数を減らしていくことや、人の作業を機会にやらせることで減らしていくこと、そもそもその作業が無くなるようにしていくです。
OCRの活用や、手書き伝票の廃止(伝票起票者が直接パソコンで入力するなど)により、ミスが起こる機会は必然的に無くなっていきます。
確率の最小化
簡単にいえば作業者がミスをあまりしないようにする、という意味の確率の最小化です。これには様々なやり方があります。
- 出来ないようにする ←違う伝票が取れないようにする
- 分かりやすく ←色分けサイズ分けする
- やりやすくする ←ラックに大きく記載する
- 知覚能力をもたせる ←違う伝票を取るとブザーがなる
- 認知・予測させる ←間違えやすいミス事例を共有する
- 品質を優先させる ←休憩を取らせる
- うまく出来るようにする ←トレーニングを強化する
- 自分で気が付かせる ←自己チェックツールを導入する
などです。上記の右側に記載したのは一例です。実際は手順の改修・ツール整備・システム化・教育訓練などなど様々な手法を現実的に組み合わせることで事務作業ミス撲滅に向けた道を歩むことが出来ます。