これは弊社が関わっていない事例ですが、全国各地のクライアントからやってくる音声データをVOIPでサーバに集約、全国に散らばるオペレータが音声をテキスト入力する仕組みを導入する入力センターがあります。
各地のクライアントには早口の人もいれば聞き取りにくい発音の人がいます。それを正確に入力するには技量が必要です。時間給であればオペレータはゆっくり入力するでしょうがそれでは会社の利益が出ませんので、どうしても出来高制の契約になります。これは残業代のジレンマと私が読んでいる問題と似ています。残業のジレンマとは、社員に与えたタスクやミッションを残業を使ってやり遂げた人間の方が、定時で終わった優秀な人間よりも給与額が増える、という問題です。このような残業のジレンマが頻繁に発生する場合は、雇用契約やインセンティブの仕組みを考えなおす必要がありそうです。
この企業では、品質の高いオペレーターの単価を上げることで品質向上のインセンティブとしています。もっと効率的にオペレーションできる入力センターであれば、ベリファイの仕組み(複数のオペレータが同じソースに対して入力を行い、比較した一致度をみて品質チェックとする)を導入することが必要になるでしょう。