クラウドソーシングによる事務コストの削減

いくつかの企業が導入しているのが事務コストのクラウドソーシング化です。

たとえば採点や添削は随分昔からクラウド化されています。全国一斉模試などのテストの採点や添削作業を行う場合はマークシートで回答させることで機械的に一気に採点出来ますが、文字を記入させるタイプですと機械的には出来ませんので人手が必要になります。

全国に散在する採点者や添削者のネットワークを利用することで低コストで採点が出来ます。やり方はこうです。

一人の採点者は特定の設問に対しての採点や添削作業のみを行います。それを実現するのは答案のスキャニング、画像の自動分割、設問ごとに取りまとめて採点者に送信するシステムです。採点者は特定の設問のみに集中してサイン・添削するため、ミスも少なく効率的に採点できます。多くの採点者に振り分けた結果をサーバ側で受験者ごとの元の答案に再構築することで短期間に精度の高い採点・添削を実現します。

こうしたやり方はクラウドソーシングではありませんが、人による伝票入力センターでも活用されています。

とある入力センターでは、伝票を先ほどの答案と同じく、パーツごとに分割して入力者に配信します。同じ項目を3人の入力者に配布し、入力結果が3人共同じだった場合にOK、違っていた場合はNGとし、別の入力者に配信し直します。こうしたプロセスを経て、正しい入力結果(100万分の1程度のミス率)を得ることができます。入力者ごとに入力時間や入力ミスのデータを出すことも出来ますので、入力速度が遅い、上達しない、ミスが多い入力者をその職から解くことでセンター全体の品質を担保することが出来ます。