この想像、どう感じますか? ドキリとするかもしれませんね。実際、日本の生産年齢人口は、2020年の7,406万人から減少を続け、2065年には約4,500万人にまで落ち込むと予測されています。これは、わずか45年で約2,900万人もの大幅な減少を意味します。現在の労働参加率が6割程度ですので、それが変わらない限り1,700万人の労働力がなくなることになります。
この労働人口の減少は、バス運転手のような職種での人手不足という形で、既に私たちの日常生活に影響を及ぼしています。この数年、全国各地でバス運転手不足が問題化しています。じょうてつバス、岩手県交通、弘南バス、アルピコ交通、大阪シティバス、横浜市営バスなど、地方から都会まで、様々な路線バスで路線の廃止や減便、減便を伴うダイヤ改正が相次いで発表されました。
そしてこれはバスだけの問題ではなく、様々の公的・社会基盤のサービス維持が困難になって来ています。
地方の社会インフラを支える労働力がいなくなる!
近年、ガソリンスタンドの減少が深刻化しています。経済産業省の調査によると、1994年度に全国で6万421カ所あったガソリンスタンドは、21年連続で減少し、2015年度末には3万2,333カ所まで半減しました。
ガソリンスタンドの減少は、都市部よりも地方や過疎地域にダメージが大きくなります。2023年には、岡山県西粟倉村で唯一のガソリンスタンドが撤退し、村の出資する第三セクターが運営を継承しました。沖縄県国頭郡東村、長野県下伊那郡売木村でも同様の事例が発生しています。サービスエリアは高速道路50kmごとに設置され、人間向けの休憩所に加えて自動車のメンテナンスが可能なガソリンスタンドが備わっていることが求められていますが、2023年には、山形自動車道のサービスエリアにあるガソリンスタンドも閉鎖の危機に直面しました。これはなんとかJAが運営を受託して維持されることになりました。
このようなことが全国で起こり始めています。そして、この傾向はさらに加速していきます。