「我が社は人を大事にする会社だ!」

創業家社長 「我が社は人を大事にする、機械を入れて省力化で人を減らすなんてとんでもない!」
人事部長 「社長、熟練した職人さんが2人、今月末で急に辞めることになりました。あの2人がいなければ来月から生産ができません!」

自社の戦略や伝統文化に則ったオペレーションワークフローを組んでいるのは素晴らしいことですが、日本の伝統的企業で高齢者の熟練工に頼っている場合はこのようなことが今後続々と発生します。いくら伝統的製法を守っていても生き残れなければ意味がありません。

もちろん多くの職場では効率的に業務が行われており、次世代の職人を育成しているので当面は熟練工足とは縁がないという優秀な企業もたくさんあるでしょう。しかしここまででお示しした通り、現状でも都会を中心に有効求人倍率は高止まりし、地方では過疎化が進み、全国的にはこの先どんどん労働者が減っていきます。どんな企業も他山の石ということはできません。

企業が生き残るために、そしてこれまで提供してきた素晴らしい商品やサービスを継続するために、嫌でも人口減少社会に適応していかねばなりません。